どこがいけなかったのか考えてみましょう

ある人の日記

〇月×日   家での牡蠣パーティーで

私は家で生牡蠣を食べるために注文しておいた牡蠣が届いたので、スチロールでは味気ないのでお皿の上にきれいに並べてみんなが来るのを待ちました。
みんなが到着して、牡蠣を見て喜んでくれて本当にうれしかったです。
早速シャンパンを開けて乾杯しました。牡蠣とシャンパンは非常に相性がいいということなので早速牡蠣を食べようということになり、わたしは牡蠣を素手でもち、牡蠣ナイフで開けてから、再び先ほどのお皿に乗せてだしました。
みんなはおいしいおいしいと言いながら、牡蠣の汁がこぼれないように、殻のふちに口をつけてつるっと食べていました。
牡蠣とシャンパンの相性は完璧でした。

その後も楽しくみんなでおしゃべりしながらパーティーは・・・
あれ・・・・

おなかが・・・・

<この後はかすれて読むことができない>

さて問題です。この日記を書いていた人は何が原因で食中毒になり、何がいけなかったでしょうか?

・・・・・・・

・・・・・

・・・

・・

正解はほぼ腸炎ビブリオ菌が原因です。

腸炎ビブリオ菌はそもそも海水に存在している菌で、食べてしまってもほとんどの場合胃酸で死滅してしまい、感染部位の主張に到達できません。
25℃から37℃下で爆発的に増殖します。逆に10℃以下ですとほとんど繁殖することはありません。つまり、食品の温度管理によって感染のリスクがコントロールできるのです。

この日記の人は、スチロールの中で氷に詰められて送られてきた牡蠣をわざわざ室温に晒しました。この時点で腸炎ビブリオ菌は増え始めます。
増える場所は、殻の表面と、殻が接しているお皿の上です。

さらにこの方は素手で牡蠣を触っているので、手のひらにも腸炎ビブリオ菌がべったりついてます。牡蠣を開ける際に牡蠣ナイフの表面にもついたことでしょう。

極めつけに洗ってもいない菌が繁殖しているであろうお皿にもう一度のせて出しました。
食べる人も、菌が繁殖した殻にわざわざ口をつけてしまっているので、感染のリスクは非常に高くなっています。

リスクを減らした楽しい牡蠣パーティーの例はこちらです。

私は家で生牡蠣を食べるために注文しておいた牡蠣が届いたので、スチロールでは味気ないので牡蠣の表面をよく洗ってから、お皿の上氷をひき詰めてその上に牡蠣をきれいに並べました。
みんなが到着して、牡蠣を見て喜んでくれて本当にうれしかったです。
早速シャンパンを開けて乾杯しました。牡蠣とシャンパンは非常に相性がいいということなので早速牡蠣を食べようということになり、わたしは手袋をして牡蠣をもち、牡蠣ナイフで開けてから軽く洗い、再び氷を置いた皿に乗せてだしました。
みんなはおいしいおいしいと言いながら、牡蠣の汁がこぼれないように、殻のふちに口を近づけててつるっと食べていました。
牡蠣とシャンパンの相性は完璧でした。

本当に楽しい一日でした。

氷のくだりはなかなかむつかしいですが、極力温度を上げないようにすることが菌の増殖を減らすコツとなります。

正しく知って、おいしく食べる

これから牡蠣のおいしい季節がやってきますので、ぜひおいしい牡蠣を楽しみましょう。

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