「Rのつかない月の牡蠣は食べるな」って本当?
結論から言うとそんな事ないです。
牡蠣好きの人は聞いたことあるかもしれませんが『Rのつかない月の牡蠣は食べるな』という海外の諺です。
どういうことかというと
September(9月)、October(10月)、November(11月)、December(12月),
January(1月)、February(2月)、March(3月)、April(4月)
遥か昔学生時代に…というくらい久しぶりに英語を書きましたが、
9月から4月の8ヶ月間の間は全部の月のスペルにRがついていますね。
反対にMay(5月) June(6月)July(7月) Augsut(8月) はRがついていません。
つまり「Rのついていない4ヶ月間は産卵期に入り栄養が落ちるため美味しくありませんよ。だからその前の9月から4月までは美味しく食べることができますよー。」
簡単に説明するとそんなところです。
牡蠣は産卵期に入ると、雄と雌に別れ、産卵して身が細くなり、水牡蠣と呼ばれる状態になります。
この状況になるのが、水温の上がる夏場付近なんですね。
実は日本にも似たような「花見過ぎたら牡蠣食うな」という言葉があるようにどうやら北半球で育成する牡蠣はこのようなサイクルになりやすいようです。
しかし、これは産地や品種や気候条件によっても変化し、むしろ加熱食として食べる場合には産卵前の牡蠣を好んでご注文される方もいらっしゃいます。
どう違うかというと、産地により少しずず海水温が違う為、当然水揚げ時期、産卵時期にも違いが出ます。
宮城県のものと岩手県のものでも場所によっては岩手の方が1ヶ月くらい産卵時期が遅くなる場所もあります。
また日本には岩牡蠣という種類があり、岩牡蠣に至っては旬が夏場になります。
このように5月から8月までの間全ての牡蠣を食べない方が良いというわけではなく、産地による産卵時期の違い、種類の違いによって、全く当てはまらないものも多くあります。
何より、漁師さんが水揚げを続けている時期は基本的に美味しい状態で出しています。
個人的には7月あたりの牡蠣を蒸した後に、オリーブオイル漬けにしておくのも好きです。
ただし気をつけなければいけないのは、海水温が上がってくると、海の微生物が活発になり過ぎて貝毒が発生します。
当然、貝毒が検出された海からの出荷は停止になりますので、貝毒が世に出回るなんてことはありませんが
「新鮮な牡蠣食べたいな~と思ってネット注文したら、貝毒で出荷停止になっていた(涙)。」
なんてことは夏場には結構あることです。
それでも他の二枚貝に比べ貝毒が検出されることは少ないですが。
ですので産直の生牡蠣は海水温が上がる前の季節で水揚げをやめる漁師さんがほとんどです。
貝毒発生のメカニズムや産卵時期のまとめなどはまた記事として書きますが、昔から言われている
『Rのつかない時期の牡蠣は食べるな』は
『そんな事ないですよ。』という結論です。
色々な時期の牡蠣を食べてみて自分の好みの牡蠣に出会えると良いですね。
私たちの販売する牡蠣は8月、9月を除きほぼ流通しております。
手間をかけて育てた一粒牡蠣、ぜひご賞味ください。