世界の養殖事情

以下は世界の牡蠣生産ランキングです。2000年と2020年の比較です。

過去と現在の年間生産料比較(単位 t)

2000年                   2020年

  1. 中国    3,291,929         中国  5,139,760      
  2. 日本     221,252         韓国   341,254
  3. 韓国     207,943         アメリカ 200,201
  4. フランス   133,500         日本   176,000
  5. アメリカ                フランス
  6. 台湾                  メキシコ
  7. オーストラリア             フィリピン
  8. カナダ                 台湾
  9. チリ                  タイ
  10. アイルランド              カナダ

牡蠣の生産は広く世界で行われており、生産料としては中国が圧倒的に多く、その次に韓国、アメリカ、日本、フランス等牡蠣が有名な国が並んでおります。

オイスターバーのイメージがあるアメリカも20年前は意外にも日本の1/5の生産料(38000トン)だったりしましたが、ここ20年で日本を抜き韓国に迫る生産量となっています。

日本はおそらく東日本大震災の影響もありそう生産料が下がっていると考えられますので、数年かけて生産料も戻ってくると思います。

そのほかにも中南米や、アジア、オセアニア養殖が行われています。海水温の高そうな地域で養殖が行われているのも不思議なものですね。ヨーロッパはフランスがダントツです。

こういったランキング変化の背景には人口増化、養殖の技術革新、災害などの要素も含まれていると思いますので、牡蠣という切り口だけを見ても面白いものです。

養殖方法

これだけ生産国があるならば、養殖方法も多彩なのかもしれません。

日本では大きく分けて2つに分類されます

1、地巻き式

有明海などを中心とした古来の養殖方法で、北海道ではホタテの養殖に一部見られます。

文字通り、海底に巻いて育成させる、天然に近い状態での養殖方法です。水深の深い地域ではあまり向いていない方式です

2、垂下式

現在ではほとんどの養殖がこの垂下式になります。広島を中心とした筏式垂下養殖、三陸を中心とした延縄式養殖の二つに分かれます。

宮城県の9割はこちらの延縄式で、私たちの取り扱っている牡蠣も延縄式です。

水深が深く、かなり深いところで育成しているため、育成に時間をかけゆっくり育てています。海面近くは栄養も豊富で成長スピードも早いのですが、不純物も多い為、気をつけなければなりません。

3、その他

他にも以前はひび建式という地巻き式の派生した養殖方式もあったそうですが、生産性が低いため、現在は行われていないようです

またフランスなどはシングルシード(日本では一粒牡蠣)をカゴに入れて海に沈める方式です。その為、機材コストが高く、牡蠣の価格も高価になります。

アジアでは日本で行われてきた伝統的な養殖方法も見られます。

どこの地域も養殖方法には工夫が見られ、生産、出荷量にこだわらなければ、牡蠣は養殖方法が多く育てやすい部類なのです。

お客様の手元に届いた時に、一人一人の生産者が丁寧に取り組む理由がわかると思います。

また延縄式の細かい説明や、各国の伝統的な養殖方法はご説明いたします。