貝毒とはいったい何なのでしょうか?あたるということと同じなのでしょうか?
そもそもあたるとは何かということですが、それに関しては
という記事で特集されていますので、そちらにお任せすることにして、
知らないと怖い貝毒について
今週と来週で記事にしていこうと思います。
日本では市販されている貝に関しては下記で書かれているように、定期的に有毒プランクトンの出現を監視、かつ貝類の毒性値を測定し、規制値を超えたものの出荷を規制しているため、貝毒で救急搬送される人はそれほど多くはありません。海外で牡蠣を食べる際や、市販されていない貝(禁止時の潮干狩り)を食べる際には本当に気を付けていただきたいといことでこの記事を書いています。
貝毒とはいったい何なのでしょうか?
貝毒は、
貝がもともと持っている毒ではなく、餌であるプランクトンを獲る際に蓄積された毒です。
そしてさらに貝毒は
環境によって濃度が変わる。
ということをきちんと知ってください。つまり、正しい知識があれば、むやみやたらに怖がる必要もありません。
さて、貝毒の情報の得かたを説明します。
<貝毒の情報を見る方法>
貝毒について例えば宮城県ですと、水産業基盤整備課 養殖振興班が毎週月曜日に、養殖された牡蠣やホタテなどを調べ宮城県のホームページで、情報を公開しています。
各県にそのようなページがありますので探してみてください。
貝毒情報を見ると、今どのような貝毒がどこの海で出ているかということをきちんと把握することができます。いったん基準値を超える貝毒が出ると、基準となる数値を2回連続で下回るまで出荷が停止または制限されることになります。
こうやって日本の食卓はきちんと守られているんですね。
<貝毒の種類について>
貝毒には4種類のものがあります。ただし日本で把握されているものは2種類だけです。
ここでは一応4種類説明していこうと思っています。
1⃣下痢性貝毒
下痢性貝毒は、オカダ酸などの毒で小腸の粘膜が障害されて起こります。市販の貝での発生は起こっていません。油に溶けやすい脂溶性で、加熱に強く生ガキでも加熱しても起こります。症状としては食後30分から4時間以内に下痢、吐き気、嘔吐、腹痛などの消化器症状が見られます。多くは3日以内に回復し、後遺症もなく、死亡例もありません。
特効薬などもなくただひたすら耐えるか、個々の症状を抑える薬を飲む対処法しかありません。
2⃣マヒ性貝毒
麻痺性貝毒は、一般的によく知られているフグの毒と同じ神経性の毒で、毒化した貝を食べた場合、手足のしびれやまひ、呼吸困難などの症状が現れます。この毒は水に溶けやすく、加熱にも強い毒で、調理の過程では消えません。
症状としては食後約30分程度で、唇、舌、顔面などがしびれが始まり、手足の発熱感が見られ、呼吸筋の麻痺による呼吸困難を起こし、放置すれば、死に至ります。
特効薬はなく、呼吸困難に対しては、人工呼吸器による呼吸管理で、体内で無毒化されるまで待つことになります。
3⃣記憶喪失性貝毒(日本での報告例はない)
カナダの小説家モンゴメリ原作の「赤毛のアン」の舞台となったカナダ東海岸のプリンス・エドワード島周辺で、1987年11月~12月にかけて養殖ムール貝を食べた人たちの間発生しました。症状としては食後数時間以内に吐気、嘔吐、腹痛、頭痛、下痢が起こります。重症例では、記憶喪失、混乱、平衡感覚の喪失、 けいれんがみられ、最後には昏睡により死亡することもあります。
4⃣神経性貝毒(日本での報告例はない)
神経性貝毒による中毒は、アメリカやニュージーランドでときどき発生することがありますが、他では問題になることは少ないし、これまでのところ日本での報告例はありません。
症状としては中毒症状は、口内のしびれとひりひり感、運動失調、温度感覚異常などの神経障害を特徴とする。食後1~3時間で症状があらわれる。吐気、腹痛、下痢、嘔吐などの胃腸障害を伴うこともある。死亡例はありません。
このように貝毒は死亡することもある危険なものではありますが、日本では徹底した管理が行われています。
しかし、勝手に採取した貝を食べて貝毒による食中毒になる方もいます。
なぜ禁止されているのか、なぜダメなのか
そのためにはきちんとした知識が必要です。
海に行ったからと言って、むやみに貝を獲ったりせず、購入することをお勧めします。