牡蠣などでよく耳にするのは、鉄分が豊富で栄養がたっぷりあるんだと言われています。
これはまちがっていないのですが、栄養たっぷりの理由が、海だけでなく、山も関係していることを知っていますか?

今回は、海と山の関係につてまとめています。

「川の真水と海水が混ざる湾」が適所

いきなり質問ですが、牡蠣の養殖に適している環境はなんだか知っていますか?

答えは、「川の真水と海水が混ざる湾」であることです。
理由は、雨などにより山の栄養が少しずつ皮などを通して、海に流れていき、海の栄養が混ざりあい、一番栄養が豊富な地点となるからです。 

逆に、山が汚染されていた場合は、汚染したものが海にも届くため、そこで育つ牡蠣をはじめとした海産物にも影響を与えてしまいます。

だからこそ、多くの漁師さんは、海だけでなく近くの森を守る活動にも力を入れています。■1989(平成元)年から気仙沼湾に注ぐ大川上流の岩手県室根村で、「牡蠣の森を慕う会 」を発足
■広島県のかき養殖業者たちは、1995年から「漁民の森づくり」という活動を行っています。活動内容は、山での植樹活動。

山が海を助けている!?

上記で、栄養が山から海に流れるとまとめましたが、実は他にも秘密があります。
自然のものは、人間が知らないだけで、助け合って成り立っていることを強く感じます。

多くの山には、腐葉土という土があります。
腐葉土とは、植物や作物を育てる土を改善するための堆肥(たいひ)の1種です。土壌を通気性・保水性・保肥性に優れたものに改良します。
腐葉土は、森などの地面にありますが、実は人工的にも作れるものなのです。
少し脱線しましたが、自然の腐葉土はたくさんの雨が降ったとしても、その土が水を吸い込み、少しずつ山から川に流れていくため氾濫を防ぐ要因の一つになっています。

そして、川を通る間に、泥水もきれいな水になり、腐葉土を通った水は、植物プランクトンを含んで海の生き物たちの栄養を蓄えていきます。

そのため、山が、土砂崩れなどを防ぎ、栄養たっぷりの水を川、河を通じて海に送り届けることができているのです。