「牡蠣にあたった!」
という話はわりと聞くのに、
「ホタテにあたった!」
とい話はあまり聞かないのはなぜなんだろうかと思ったことはたぶんないと思いますが、
私はよく思っていました。
ということで、今回はなぜ牡蠣には中るがホタテには中り難いのかと行くことを考えていきましょう。
※突然ですが貝にあたるのあたるがなぜ中るなのかという疑問にぶち当たって、ついうっかりそちらに移行しそうになりました。今度考えて、記事にしてみようと思います。
さて、前に書いた「牡蠣の食事と浄化作用」という記事の中でも書いたのですが、1個の牡蠣は1日で200㍑~400㍑もの海水を体の中を通してエサを吸収すると書いたのですが、実はホタテも同じくらいの海水を取り込みエサを吸収しています。
その時に貝毒やノロウィルスなどはどうなるかというと、人間でいう肝臓、貝の世界では中腸線(通称うろ)と呼ばれる部位にその毒が集積されていきます。中る・中らないということは、実はその場所を食べるか食べないかということによって変わります。ちなみに中腸線は非可食部と言われ、いろいろなサイトでは食べてはいけないか、食べても平気ではあるが、食べるときには注意が必要な部位になっています。
<ホタテの中腸線>
ホタテの中腸線は通称うろと呼ばれ、生で食べることはありません。
また、焼きホタテなどでも、外されていることが多い部位になります。
下の写真を見てもらうとわかるように、黒い部位なので目立ちます。
食べるときにはとって食べることをお勧めします。
写真(参考ページ「ほたての貝毒1」)
<かきの中腸線>
中腸線は黒い色をしています。かきの中腸線はどこにあるのでしょうか?
実はこのことが牡蠣がホタテに比べて中りやすいという理由になっているのです。
かきの中腸線はどこに・・・じつは・・・
身の中にあるのです
それでは、断面図を見てみましょう
参考画像「二枚貝の消化器官 中腸腺(消化盲嚢)」pdfファイル
この緑っぽい部位が中腸線となっています。
つまりどういうことかというと
牡蠣の中腸線は取り除くことができないので、当たる確率が、取り除くことのできるホタテに比べて格段に高くなる
ということ。
勘違いしてもらいたくないのですが、前回も記事にしましたが、日本の貝類の出荷は厳しく監視されています。ただし、どうしても貝の個体差や食べる側の個人差があるために、中ってしまうことがあるのです。
ホタテは可食部と呼ばれる部分と非可食部(中腸線)に分けることがしやすく、牡蠣はそれができにくいので、牡蠣のほうが当たることが多いということなんですね。
つまりは牡蠣もホタテも恐らく中りやすさは変わらないが、中りやすい部位を取り除くことができるかできないかという差があるというのが、「牡蠣は中りやすい」の答えだったのです。
どの貝にも中腸線があるので、生食の時は極力避けた方がいいと思います。
また、加熱時も怖いと思う方は食べないことをお勧めします。
正しい知識をもって貝をおいしく食べましょう。