まず牡蠣は大きく2つに別れます。
養殖されている牡蠣と自然にいる牡蠣です。
養殖と自然の牡蠣は何が違うのでしょうか?
実はほとんど違いはないのです。
1.牡蠣の産卵
海水温が20℃を超えると牡蠣のメスは卵を放卵します。
オスはその時期に合わせて放精し、海水内で受精し漂った卵は孵化し、稚貝が海水内に漂います。その後運良く硬くて動かない岩などの付着して成長できるものが自然界にいる牡蠣です。
稚貝のときに養殖用に紐についたホタテなどに付着したものが養殖の牡蠣です。(実際には稚貝も養殖しているところもある)
産卵が終わった牡蠣は卵だった部分に海水が入り、加熱すると身が小さくなってしまいます。殻に対して本当に小さくなってしまうので、私たちはぺったんこになると言っています
2.牡蠣は動かない
2週間ほど海を漂って、運良くどこかに張り付いた牡蠣はそこから動くことはありません。
牡蠣は膨らんでいる方の殻を下向きにしカルシウムを材料とするセメントのようになものを出してくっついています。それらは大抵の場所につくことができるので、海の中の岩だけではなく、船底にくっついてしまうこともありますし汽水域にある岩や護岸にくっついて干潮時に海から露出してしまう場所にくっつくこともあります。牡蠣は数日は水がなくても生き抜くことができます。
そしてその場所からじっと動かずに海からプランクトンを吸収し次の産卵期を待つのです。
牡蠣の殻には層がありますが、あれは2週間ほどで1層できるのではないかと言われています。層が多ければ多いほど長く生きている牡蠣ということになるんですね。
3.牡蠣のオスメスは変わる
日本で食用に育てられている真牡蠣には明確な性別はありません(牡蠣の種類によってはあります)産卵期の前に栄養が足りているものがメス、栄養が足りていないものはオスにになると言われています。
牡蠣の漢字に「牡」という文字が入っていますが、これは牡蠣の性別がわからず、全部オスしかいないと思われていたからという説があります。
4.牡蠣の一生
牡蠣は卵をどれだけ生むか決まっていると言われています。水温が高く、豊かな海では産卵時の卵の数が多くなり牡蠣のサイクルが早くなるようです。牡蠣の殻はその後また新たな牡蠣の住処となり、また微生物の繁殖床となり海を豊かにすることに役立っています。
普段何気なく食べている牡蠣ですが、まだまだ知らないことが多いということを改めて実感しました。
※記事には不確定な部分や、諸説あるものから1つ選んだものもありますのでご了承ください