月曜日は時々、水産業を取り巻く環境や流通など少し牡蠣を取り巻く周辺の話について触れていきたいと思っています。
SDGsと牡蠣
前回月曜日はSDGsについて触れました。
SDGsとは国連で2015年に採択された2030年までに達成する持続可能な社会を目指す国際基準です。
17個の目標と169のターゲットに分かれており、個人、団体、国の各々が目標に向かい地球環境や社会環境を改善します。
我々水産事業に大きく関わってくるのは14番の「海の豊かさを守ろう」という部分です。
実はSDGs的にも注目された牡蠣の生産者の方がいるのです
私たちの取り扱っている湾から比較的近くにある宮城県北部の南三陸町にいらっしゃる
後藤清広さんという生産者の方が作られる牡蠣が実はサスティナブルなんです。
なぜサスティナブルなのか
南三陸町という地域は東日本大震災で壊滅的となった町のひとつです。
この後藤さんの養殖筏や加工場も全て流されてしまいました。
ゼロになった後藤さんは何とか牡蠣の養殖を再開するのですが、震災前の3分の1の筏で養殖再開をしなければなりませんでした。
実はこれが功を奏したのです。
3分の1の筏で再開したら、何と成長速度が早くなったのです。これまで3年かかって育ててきたサイズの牡蠣が1年で成長する様になりました。
以前は海面に筏がびっしり並んでおり、大量生産を行なっていました。そのため成長速度が遅く立派な牡蠣が取れないことに悩まされていました。
いつの間にか自然に負荷をかけていたと気付いた後藤さんは、少ない生産量で質の高い牡蠣の養殖を始めました。
この養殖方法は海を守る漁師としてのあるべき姿ではないかと、業界からも高い評価を受けWWFも視察に来るほど素晴らしいものになりました。
今回は持続可能な考え方で育成に成功した養殖牡蠣の一例でした。