オイスターリーフってご存知ですか?初めて耳にされる方がほとんどだと思いますが、日本語では牡蠣礁と言います。
これも読みにくいですよね。
読み方は牡蠣礁(かきしょう)と言います。礁の字はサンゴ礁と同じ字ですね。
サンゴ礁と聞けばオーストラリアのグレートバリアリーフなどが有名です。そう聞くとオイスターリーフという言葉にピンとくると思います。簡単にいうと天然の牡蠣の群生地です。
サンゴ礁は有名ですが、牡蠣礁はあまり有名じゃないですよね。
実はサンゴ礁の他にも、牡蠣礁、イガイ礁など海中には様々な群生地があり、それらが海中だけでなく地球にとって適切な状況を保っています。
牡蠣礁はどのような役割を持っているか?
- 小魚などの育成環境を守る
- 牡蠣の力による水質浄化
- 海中の食物循環
- 波の力を分散
などが挙げられます
1、小魚などの育成環境を守る
牡蠣がらの隙間などが無脊椎動物や魚の住処となり生物の育成環境に適しており、エビやカニ、小魚などが安心して育つことができます。牡蠣殻が集まり立体的な層になる事で、牡蠣礁が出来る干潟そのものの面積より、何十倍も広くなる
2、牡蠣の力による水質浄化
また牡蠣礁はこのブログでもなんども説明しているように牡蠣のもつ給排水力により周囲の水質改善はもちろんのこと、海岸の保護の役割も担っていました。
3、海中の食物循環
牡蠣は海水をろ過する際に、全てのプランクトンを消化ぜず、擬糞として粘液とともに体外に排出します。これを牡蠣礁に生息するエビ、カニ、小魚が食べ、食物連鎖をつなげていきます。
4、波の力を分散
サンゴ礁と同じで、高潮や津波などが発生した際に、波を分散させる力があります。スマトラ沖の大地震の際にサンゴ礁に囲まれた島は被害が少なかった様です。
減少していく牡蠣礁
循環機能として素晴らしい役割を持った牡蠣礁ですが、残念ながら、サンゴ礁同様に牡蠣礁も年々減少しています。むしろサンゴ礁より早いペースで無くなっていると思います。
2018年にはオーストラリアの牡蠣礁は全て消滅してしまいました。
日本でも年々減少傾向にあり、現在は数カ所程度残っております。
私たちの取り扱っている宮城県では石巻市と女川町の間にある万石浦という場所に小規模の牡蠣礁が残っていましたが、東日本大震災の影響などで危機的な状況をむかえました。
牡蠣礁が無くなると、実は海中で蓄積されていた炭素が放出されるという検証結果も出ています。
以前、温室効果ガスによる地球温暖化について触れましたが、海中のこういった出来事も地球温暖化や気候変動の一因になっています。
海は大切にしましょう。