本来別の内容を記載する予定でしたが、プロデュースしているSDGs番組のパラオ環境大臣のインタビューロケを編集していて、急遽内容を変更いたしました。
本来書く予定だった、世界の牡蠣の食べ方はそのうち書きます(笑)
現在、水産事業は地球環境の変化に翻弄されております。このところのONOKURUの記事でも海洋ゴミに触れていますが、海を豊かに守るという部分で問題になってくるのは海洋ゴミだけではありません。
もっとも大きな問題は海水の酸性化です。
海水の酸性化とは
現在、グローバルな気候変動が海に影響を及ぼしており、その中で地球温暖化への影響が最も大きい二酸化炭素を海水が吸収し、海水の酸性化が世界規模で進んでいます。
海に吸収された二酸化炭素の濃度が高まり、水素イオン濃度が下がり、二酸化炭素は長期間に渡って弱アルカリ性の海水をPH値を変化させていきます。
これにより海洋生物の生態系の変化や私たちの食生活だけでなく、地球環境そのものに大きなダメージを与えることになります。
現在進行形で酸性化が進んでいます。
酸性化が進むと何が起きるの?
海水の性質変化でこれまで吸収してきた二酸化炭素の吸収能力の低下により、地球上に二酸化炭素が増え続けます。
大気中の二酸化炭素増加によりさらに温暖化が加速します
海中で起こる生態系の変化として海中で炭酸カルシウムの形成が難しくなり、サンゴが減少します。
炭酸カルシウムの形成と聞いて、感の良い方はもうお気づきですね
貝類が殻を作るのが難しくなります。
酸性化による養殖被害は既に発生していた
10年以上前ですがアメリカの北米太平洋沿岸部で、牡蠣の水揚げが出来なくなるという現象が発生していました。
牡蠣の幼生がまったく成長せず日々減少していくという出来事が起こり、オイスターファーマー達も頭を悩ませており、最後はほんの一握りの牡蠣しか残らず、大打撃を受けました。
ファーマーたちもバクテリアが原因ではないかと、対策を講じたが全く成果が出ず、そのとき初めて海洋化学に触れ、海水の二酸化炭素濃度の上昇によるものではないかとたどり着きました。
二酸化炭素濃度の高い海水は普段海底にありますが、この地域特有の季節的に起こる上昇流により、海底に海水が浅瀬までくることにより養殖に被害を出していた可能性が非常に高いということがわかりました。
研究の結果わかった事は牡蠣が最初の殻を作る一番大切な時期に海水の酸性が強いと殻をうまく作ることができず、そのため全ての行動にエネルギーを消費される状況となり、成長する事が出来ず死滅したという事でした。
すでにおきている海水の酸性化は今後地球環境に大きなダメージを与える事はすでにわかっております。
そしてその原因は私たち人間社会によるもので、産業革命以降の250年間よりも今私たちがいきている20年間の方がさらに早いペースで海洋を酸性化に傾けています。
という事は自分たちの世代が歴史上一番地球に負荷をかけている世代であるという事です。
ONOKURUでは自分たちの世代責任と捉え持続可能な水産を目指しています。
最後に編集中のパラオの画像を入れておきます。
綺麗な海を残したいですね。