よく身近の方とめかぶの話をすると、「めかぶってなに?」とよくきかれます。私にとってはとても身近な食材ですが、東京では馴染みがないことに衝撃を受けたのを今でも覚えています。
1 そもそもめかぶって何?
2 めかぶの歴史
3 めかぶの生産地
そもそもめかぶって何?
めかぶとは、わかめの根元部分にある、折れ重なって厚いひだ状になっている部分のことを指します。
ワカメは海藻なので根はありませんので、あくまで根元と言われているだけなんですが。
めかぶはネカブ、ミミ、カブ、メヒビなど様々な呼び名があり、各地方によって独自の加工法・調理方法で食されています。写真のように、生の状態だと、茶褐色のめかぶですが、90℃以上で5秒程ボイルすると褐色の色素が壊れて瞬時に鮮やかな緑色に変色します。オクラ、納豆などネバネバ素材と組み合わせたり、シンプルに三杯酢で食べたり、汁物の中に入れたりと様々な調理方法で楽しむことができます。
めかぶの歴史
古くからめかぶの素干しが食用とされることがありましたが、処理が面倒ということもあり、多くはそのまま捨てられていました。しかし、701年大宝律令が出来た時代には、貢納する海藻の中に「マナカシ(当時のめかぶの呼び方)」と記載されているため、8世紀初頭にはすでにワカメの葉状体と同様に食用にされていたものと考えられています。
めかぶは、健康に良い海藻として知られており、四方が海に囲まれた日本では海の恵みとして重宝され、古くから民間薬としても使用されていました。
1965年頃から、養殖が盛んになり広く普及していきました。天然のめかぶは養殖のものより少々高値で取引されています。
めかぶはぬめりが強く歯ごたえがあり、酢のものやめかぶとろろとして人気があります。
最近になり、めかぶには葉状体よりも多量に健康上有効な成分が含まれていることがわかり、食材として利用されるだけでなく、粉末や錠剤として健康食品の仲間に取り入れようとする傾向が出てきています。
めかぶの生産地
日本での生産地は北海道西部から九州までと幅広く、特に潮の流れが激しい鳴門海峡や三陸外海の南部のものが有名です。
メカブの採集時期は2月~4月前半です。今のご時世だと冷凍技術も発達し、瞬間冷凍を用いることにより冷凍でも食感をなくさず保存が可能になっています。