料理の基礎は出汁。それほどまでに出汁は大事で日本の食文化には欠かせないものです。

カツオ、昆布、煮干し、しいたけ、ハマグリ、シジミ、あさり…

パッと思いつくだけでもたくさん出てきます。

たくさんの材料が日本の食生活を支えてきました。

中でも昆布とカツオが日本料理の1番の基礎となります。

昆布7、カツオ3 そこにシイタケや煮干しなどで調整する。こんな繊細な味づくりが和風だしと呼ばれ、海外で賞賛されてきました。では海外に出汁はあるのでしょうか?

海外に出汁はあるのか?

「出汁は日本独自の文化だ!」と言われる方も時々いらっしゃいますがもちろん海外にも存在します。ヨーロッパは野菜などを煮込みブーケガルニ(ハーブの束みたいなやつ)を入れ長時間火にかけます。比較的技術がいる作業ですが、それがフランスやイタリアの食事の下支えになっています。

お隣韓国では、牛を使った出汁が有名です。料理する方はご存知かと思いますが、粉末でもダシダと言う調味料は韓国料理を作る際には欠かせません。他にも生産量の多い貝を使った出汁もあります。

中国は中華だしと言われるくらい、流石、食の大国。出汁はたくさんありますね。鶏ガラから干したアワビまでなんでもあるのが中国。干した牡蠣を使うのは中国だけではないでしょうか?

出汁っていつからあるの?

日本の出汁の起源はなんと縄文時代です。

このブログでも縄文時代というキーワードは何度も出てきます。日本では縄文時代から牡蠣は食べられてきていました。詳しくはこちらから

ではどのように出汁として使われてきたかと言うと、縄文土器です。

そう、あの授業で何度も習った縄文土器!

あの土器にキノコや貝、肉、魚、野菜などいろんな材料を入れ煮出すと言う行為が出汁の起源になっています。

当時の貝塚などがあることから、日本の出汁の起源には貝類も大きく絡んでいるのではないかと思います。

そして、煮出すと言う技法は全国に広がりカツオ、昆布などは奈良、平安時代には献上品として使用されていたようです。

出汁として歴史に名前を残したのは室町時代以降ですが、日本には縄文時代から素材の味を煮出して料理を作ると言う素晴らしい食文化が今に続いています。

出汁が広げる水産業の可能性

このところ、水産事業者にとって向かい風が強くなる自体が続いております。

コロナウイルス、気候変動による水害、海水温の上昇による養殖の不安定さ、遠洋漁業の漁獲高の下降、担い手不足、挙げればきりがないのが一次産業特有の悩みです。

こういった現状を打破する際に出汁という角度で物事を考えたとき、可能性が広がります。

現在、日本は出汁の種類がかなり増えてきました。

鯖、鯵、鰯、干しエビ、九州では焼きアゴ(トビウオ)などの出汁があります。

サイズダウンした牡蠣を中国の様に干し牡蠣、干しアワビとして流通に乗せることもできるかもしれないですし、粉末状にすることもできます。

そういったところから新たな郷土料理の創造などが地域社会を支える可能性は大いにあると思います。